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適応障害

適応障害とは

頭を抱えて嘆くビジネスマン適応障害は、ある特定の状況や出来事(ストレス因)が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのストレス因の始まりから3か月以内に気分や行動面に症状が現れるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。いったいどれくらいの人が適応障害になっているかと申しますと、アメリカ精神医学会によると一般人口の2~8%と報告されています。
ストレス因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々ですが、日常的でどこにでもあるようなことがストレス因となることがより多いといわれています。例えば愛する人の喪失、転職・異動や昇進により新しい職場環境や仕事になじめない、上司や同僚との人間関係がうまくいかない、夫(妻)の両親とうまくつきあえない、いじめ、経済事情の変化などがあります。ある人はストレスに感じることが他の人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。アメリカ精神医学会の基準(DSM-5)では「ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続しない」とされています。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも、有効な治療法です。

適応障害の主な症状

症状としては、情緒的な症状、行動面の症状、身体症状があります。

  • 情緒的な症状
    抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などがあります。置かれている状況で、何かを計画したり続けることができないと感じることもあるでしょう。
  • 行動面の症状
    いきすぎた飲酒や暴食、無断欠席、無謀な運転やけんかなどの攻撃的な行動がみられることもあります。子どもの場合は、赤ちゃん言葉や指しゃぶりやなどのいわゆる「赤ちゃん返り」がみられることもあります。
  • 身体症状
    不安が強く緊張が高まると、体の症状としてどきどきしたり、汗をかいたり、めまいなどの症状がみられることもあります。その他、不眠、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、頭痛、肩こり、腹痛などがあります。

適応障害ではストレス因から離れると症状が良くなることが多くみられます。例えば仕事がストレス因の場合、勤務する日は気分が落ち込みがちで不安も強く、眩暈や発汗があるかもしれませんが、休日は気分も楽になり趣味を楽しむことができる場合もあります。よくあるのが適応障害(抑うつを伴うもの)と、うつ病の混同です。うつ病は、環境が変わっても気分は晴れず、気分の落ち込みは続き何も楽しめなくなります。これが適応障害とうつ病の違いです。気分の落ち込み、食欲の低下、不眠、興・味関心の喪失が2週間以上続く場合はうつ病の可能性があるといえます。

適応障害の原因

適応障害の原因となるストレスは人によりさまざまです。ストレスは受け取り手側による違いも大きく、例えば、親をなくすことの意味は10歳と50歳とでは大きく異なります。そのため、患者さま個人個人へのオーダーメイド的なアプローチが必要だと考えています。
一般的には、環境変化や人間関係がストレス因のことが多く、具体的には入学、就職、結婚などでストレスを感じ、大きな負担がかかってしまうと症状が現れるようです。やはり仕事関係・人間関係が原因で受診される方が多いですが、お体のご病気や経済状況の変化などもストレス因子となることがあります。

適応障害の治療

まず治療の第一は①「原因であるストレス因の軽減・除去」になります。そしてストレスをストレスと感じる人とそうでない人もいるように、ストレスへの対応力(耐性)は人それぞれ異なりますので、②「ストレスへのご本人の適応能力を高める」ということも重要になります。なぜなら完璧にストレス因を除去することはなかなか難しい事が多いのも現状だからです。また、もしストレス因が完全に消えてなくなったとしても、そのご本人にストレス耐性が無ければ、また違うストレスに直面した時に再度適応障害を発症してしまう危険性があるからです。さらに③「情緒面や行動面での症状に対してアプローチ」することもあります。
不登校、職場不適応、出社拒否などの場合、学校や職場の理解を得ることも重要です。当院では産業医経験をもとに、患者さまとともに、段階的に社会復帰できるようサポートしていきます。

  1. ストレス因の軽減・除去
    ストレス因の軽減・除去とは、環境調整をすることです。たとえば嫌がらせに近い理不尽な叱責を繰り返す上司のもとから離れることや、暴力をふるう恋人から離れ他の人に助けを求めるなどがこれにあたるでしょう。ストレス因が取り除けるものであれば良いのですが、家族のように離れるのが難しいものもあります。こういった場合、ストレス因の除去だけでは難しく、次の「適応力を高めること」も必要となります。
  2. ストレス因に対してのご本人の適応力を高める
    ストレス因に対してご本人の受け止め方にパターンがあることが多くみられます。このパターンに対して介入するのが認知行動療法と呼ばれるものです。また現在の問題と症状に焦点を当てて協同的に解決方法を見出していく問題解決療法などもあります。この認知行動療法も問題解決療法も、治療者とご本人が協同して行っていくものですが、基本的にはご自身が主体的に取り組むことが大切です。
  3. 情緒面や行動面での症状に対してアプローチ
    情緒面や行動面での症状に対しては、薬物療法という方法もあります。不安や不眠などに対しては抗不安薬や睡眠薬、うつ状態に対して抗うつ薬を使うこともあります。ただし適応障害の薬物療法は「症状に対して薬を使う」という対症療法であり、根本的な治療ではありません。つまり適応障害の治療は薬物療法だけではうまくいかないことも多く、環境調整やカウンセリングが重要になっています。

生活上のアドバイス

  • 適度な休養や気分転換を心がけ、ストレスをためこまないような生活の工夫をしましょう
  • 一人で抱え込まずに、家族や友人などに相談しましょう
  • ものごとの価値観が社会の物差しに縛られすぎていませんか?そこから完璧に解放される、というのも難しいものですが、自分本来の気持ちにも耳を傾けてみましょう
  • 人といかにつきあっていくか、そしてその中でどのように自己実現していくかというスキル(ソーシャルスキル)を適度に身につけてみるのも良いかもしれません
  • 自分のペースに気づきましょう。その上で周りのペースと折り合いをつけていけると良いかもしれません

※上記でお困りの方は、JR埼京線、北戸田駅前の心療内科・精神科・メンタルクリニック、北戸田駅前まつもとクリニックまでお気軽にご相談下さい。

戸田市・蕨市・さいたま市南区からアクセス良好で通院がしやすい場所にあります。

参考文献
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(医学書院)
カプラン臨床精神医学テキスト(メディカルサイエンスインターナショナル)

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